大物主神って神名じゃないの?

神社に祀られている神様の名前って、漢字がたくさん並んでいて、ややこしくて、読むのも難しいですよね。この名前の難しさ、ややこしさが神話を学ぼうと思っても挫折してしまう一つの原因になっています。


神話の世界は、主に縄文時代から弥生時代の話なので、当然、漢字が日本に伝わる以前の話です。つまり、神様の名前に使われている、あのややこしい漢字は、完全に当て字なのです。古事記や日本書紀(記紀)を編纂するときに、神様の名前の一文字ずつに漢字を当てはめていったのです。意味よりも音を優先したので、神様の名前としては、ふさわしくないような漢字も使われています。


そして、神話の世界を理解しようとして、混乱してしまう、もう一つの原因が、神様は一人(一柱)で複数の名前を持っているということです。


「ホツマツタヱ」や「ミカサフミ」といったヲシテ文字で書かれた「ヲシテ文献」によれば、少なくとも実名である「イミナ」と成長してからの名前の二つの名前を持ち、ニックネームのような名前や、功績に対して送られる讃え名など、一人で三つ以上の名前を持つ方が少なくないのです。


そして、表題の「大物主(オオモノヌシ)」については、実は役職名なのです。現代でいえば、警察庁長官です。モノノベ(物部とは違います)と呼ばれる警察官兼指導者を束ねる、治安維持を担うトップの人が「オオモノヌシ」なのです。初代はオホナムチさんでした。二代目も、三代目も「オオモノヌシ」と呼ばれました。現代でも大臣や知事などは個人名よりも、その役職名で呼ばれますが、それと同じ感覚でしょう。


したがって、大神神社や金刀比羅宮など全国に大物主神を祀る神社がたくさんありますが、同じ神様を祀っているわけではないのです。また、神話では大国主命にはたくさんの奥さんと子供がいますが、「オオモノヌシ」と呼ばれた複数の人が大国主命に集約されているようです。


初代オオモノヌシであるオホナムチさんの息子は、クシヒコさんといって偉大な方でした。コトシロヌシ(これも役職名)として父を支えたのち、二代目のオオモノヌシになりました。奥さんはミホツヒメです。「ヲコヌシ」や「ヤマトヲヲコノミタマカミ」などの名前もあります。ん?「大国主(オオクニヌシ)」と似ていますね。


三代目以降の「オオモノヌシ」についても調べてみれば、いろいろと謎解きができそうです。


興味のある方は、ぜひ、この続きを聞きに来てください。

いつもありがとうございます。

見えない世界を伝える神社ナビゲーター

市口 哲也

神様に呼ばれる神社参拝

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